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麻疹ラーニングandデータマイニング [学術]

麻疹流行で大学が休講というニュース,年代と予防接種の回数や実施率の報道.
色々なデータで解説されているけれど,
要するに,日本で麻疹が流行る本当の理由は,国が金をケチったから.
そして,更にデータをよく掘ってみると,恐ろしい今後の傾向が見えちゃった.

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まずは,おさらい.

ワクチンに生ウイルスを使うと高い確率で副反応を起こすため,初めて導入された麻疹ワクチンは,
不活化(killed)したウイルスと生のウイルス(live)を併用するKLワクチンというものである
やる気があっても体がついてこなくなる30代の私が接種したワクチンはたぶんこの類と思われる.

麻疹が排除できていない国では,1歳くらいで一度接種しておけば,
その後 自然に麻疹ウイルスに触れたときに更に免疫力がブースト(強化)され,
成人しても高い免疫力が持続する.私の世代がこのケースに該当するものと思われる.

その後,昭和53年に1~2歳の子供に定期予防接種が開始された.
しかし,報道されているとおり日本は未だ麻疹予防の後進国である
このように麻疹感染の抑制が中途半端は日本では,1歳で一度接種しても,
その後に自然にウイルスに出会う機会が中途半端に少ないため,ブーストされない.
そこで,小学校に上がる前くらいの年齢で,もう一度予防接種を実施する.いわゆる2回接種.
欧米ではこれが主流で,麻疹排除に成功した.
日本では,最近やっと予防接種法が改正され,
2006年4月以降に1回目のワクチン接種を受ける児からは,
就学前の1年間に2回目の接種を受けるようになった

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では,なぜ日本では今頃やっと2回接種になったのだろうか.
・・金をケチったからである.

予防接種の回数を増やすと,そのぶん予算がかかる.
そこで当初,回数を増やさないために,他の予防接種と一緒に済ませてしまおうと考えた.

まずはMMRワクチン.麻疹・風疹・おたふくかぜの三種混合ワクチンのことである.
しかし,導入当初のMMRワクチンは無菌性髄膜炎の発症率が高くなるという弊害が問題となり,
1993年に中止された.現在の麻疹予防接種でも2種混合ワクチンが推奨されている.

一部の報道で言及されている,MMRワクチンの影響を知る端的なデータがある.
これ→
図中で黄色のMMRワクチンが最も使われた年齢が2001年度のデータで12~13歳・・・
つまり現在2007年度の大学初年度の学生!
彼らは1歳頃のときにMMRワクチンを接種したものの,直後に弊害問題の騒ぎ.
就学前の2回目接種なんてお断り → 免疫低下.
さらに恐ろしいのが,MMRワクチン中止の1993年に対応する7歳児の接種率.
極端に落ちている!2回目どころか1回目を接種してない・・
えぇと・・彼らが入学してくるのは・・2001年度で7歳だから・・
・・あぁ,ちょうど地上アナログ放送が廃止される頃かな?・・そんな頃,大学では麻疹が大流行の予感.

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おっとっと.
なぜ主に大学で流行るのか,その理由のひとつと考えられるデータも見つけた
"Unvaccinated persons show lower levels of immunity between 20-29 years"
「みせっしゅ の ひとたち は 20-29 さい の あいだで めんえきのひくいレベル を しめす!」
ていうか,接種歴有のグラフでも一時低下しているように見えるんですが・・

理由は知らないが,大学生は麻疹の免疫力が一時低下するお年頃らしい.
ちなみに,麻疹は毎年ちょうどこの季節,春と夏の間に流行りやすい

麻疹排除のためにはワクチン2回接種と95%以上の接種率が必須.
・・この国はまだ10年以上,麻疹にかかったままだろうな .麻疹輸出国とは,よく言ったものだ.

で,これだけのデータがあるのに,専門家は大学での流行を警告できなかったのかしら?
素人の麻疹ラーニングでした.


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