書きとめよ [学術]
議論したことを風の中に消してはならない・・というのは,かのG. Galileiの言葉らしいが,原語の出典が見当たらない.
頭の使い方が違うからだろうか,議論すると,一人で深く考え込んでいたときには思いつかなかった
アイディアが次々と口をついて出てくることがある.
後でアイディアを発展させるためにも,とにかく書きとめておくことが重要.
それだけではない.考えをまとめながら書く行為が,考え発展させる有効な手段のひとつである.
書くためには,考えていることの構造を明らかにする必要がある.
自分の考えは何に基づいているのか,何に新規性があるのか,目的のどの部分を達成しているのか.
そうしているうちに,不備や矛盾,次に取り組むべき問題点も見えてくる.
昔は紙やノートに議論やアイディアを書きとめていたが,最近は電子的に書きとめることの方が多い.
しかし,ただのテキストファイルでは図や数式や後の整理などで何かと不便.
そこでまず,自分専用の掲示板を使い始めた.
数年前,自分で管理しているWebサーバに,多少のカスタマイズを加えて2ch形式の掲示板を用意した.
これが意外と便利で,ちょっとした思いつきや研究のネタ,論文のサーベイなど,気軽にどんどん書き込める.
見つけた参考文献のリソースも電子化されているので,リンクで資料を示せて便利だ.
一人上手な性格(?)なので,自分で自分にレスを付け合って,話が膨らむ.
まぁ,本当に気軽なので,駄スレも立つし,「糞スレの予感」などと自己レスしていることもあるが.
数年間使い続けて,レスは数千回に及んでいる.
他人と議論する行為とは当然異なるが,議論するための思考回路を自分一人でも活用する手段になっていると思う.
つまるところ,頭の中で試行錯誤することは自分対自分の対話である.
使っているうちに気づいたのだが,掲示板上の筆談でこれを具現化すると,
「議論すること」と「書きとめること」が同時に達成できている.
最近は,研究ノートにMediawikiも使い始めた.
掲示板ほど気楽に使ってはいないが,掲示板のまとめサイト的に使えるので,
ひとつの文書を更新ながら作っていくという作業に向いている.また,文書間の関係を整理できる.
ブラウザなのでエディタでTeX文書を作るよりは不便のはずなのだが,なぜか作業が捗る.
アイディアがある程度まとまった後で,複数のアイディアが自分の中でどのように連携しているのかを意識した
文書の管理を実現できる点が魅力的なのかもしれない.
まぁ,不便な点もあるけれど.数式が使えるけど式番号の参照に困る.
それと,Mediawikiってrefとreferencesがデフォルトで使えないことに先日気がついて,
extensions/Cite/Cite.phpを追加したものの,なぜか機能しなくて小一時間悩まされた.
ver. 1.11でしか使えない関数が使われているなどと書いてあるじゃありませんか.
1.10系列にして動いた.やれやれ.
実は↑このメモをしたかっただけだというblog記事でした.書き出すと話が膨らみすぎるという悪い例.
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